製品一覧 電子部材事業

リッツ線

リッツ線

製品概要
  • リッツ線とは複数本のエナメル線を撚り合わせた電線で、高周波環境で幅広く使用されています。
    周波数が高くなると電流は電線の表面付近に集中して流れ、電線中心部では流れにくくなる現象が生じますが(表皮効果)、リッツ線は導体の表面積を大きくすることにより表皮効果を低減し、抵抗の増大と発熱を防止します。
  • 東特巻線のリッツ線は、関連会社である古河マグネットワイヤ製のエナメル線など高品質な素線素材を使用しています。
  • 自社に編組シールド機・横巻シールド機・コイル加工設備を幅広く完備していますので、リッツ線を加工した低損失・High Qコイルの製造も可能です。
    お客様の要望をうかがい、電線の設計からコイルの製造に至るまでのサービスを提供いたします。
  • 協力会社と提携し、無線給電モジュールなど当社製コイルを組込んだモジュールの製造も可能です。
  • 一般的な丸形リッツ線だけではなく製造の難しい四角断面タイプもいち早く開発。丸形に比べ撚り線充電効率を20%程度増加できるので、丸形と同等の性能(同断面積・同巻数)を保ちながら小型化が可能です。
    小スペースにどれだけ多くの導体を組込めるかが重要な電気自動車部品・ロボット・ドローンなどに最適です。
用途
  1. 自動車関連部品
    • 電気自動車では、駆動用モーター、DC/DCコンバーターなど車体組込部品の他、無線給電システムや充電ステーション
    • ガソリン自動車でも電動サスペンション、コンプレッサー、パワーウィンドウなどの駆動系・制御系・社内電装品
  2. 家電製品
    • 冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどのモーターやコイル
    • IHクッキングヒーター
  3. 電子機器
    • スマートフォン・パソコン・オーディオ用Hi-Fiスピーカーワイヤ・補聴器など
  4. 重電
    • 電力用トランス・発電機・太陽光発電インバーター・風力発電タービン・電車モーター
  5. 産業用機械
    • 薄膜成膜装置・金属溶融炉・インダクションヒーティング装置・MRIなど

丸形リッツ線

丸形リッツ線
丸形リッツ線
特徴
  • 高周波による交流抵抗の増加が小さく、コイルの温度上昇を抑制できる
  • 柔軟性に優れ、用途に合わせて変形させることが可能
  • 素線の種類・素線軽・撚り本数の選択が可能

集合撚り(一度で撚り上げ) → 複合撚り(集合撚りを更に束ねる)

丸形リッツ線

ご希望の耐熱温度・撚り線本数・リッツ線外形寸法に従い、最適のリッツ線企画をご提案いたします。

SQLW四角断面リッツ線

SQLW四角断面リッツ線
SQLW四角断面リッツ線

一般的な丸形リッツ線と比較すると、正方形・長方形の形状にすることで、無駄な隙間を省き、撚り線充填率を20%程度増加させることが可能です
また、抵抗値も約10~20%程度低くすることができ、断面積を多くとれるため、面積触による放熱性が向上し、より多くの電流を流すことも可能となります。
今までの丸形リッツ線と同外寸で、巻数を増やすこともできるので、これから更にニーズが高まるワイヤレス急速充電用途などに、同等性能を保ちながら小型化に貢献できます

SQLW四角断面リッツ線
Φ6丸形リッツ線を角形化すると、約24%小型化が見込めます。

丸形のΦ3.0~7.0に対応する長方形および正方形タンメンリッツ線を標準ラインナップとしてご用意しています。

四角断面リッツ線特徴

SQLW四角断面リッツ線
SQLW四角断面リッツ線
  • 最適な強度で丸形に撚った後、圧力を加えて同線と同線の隙間を小さくして四角形に成形します。
    抵抗値が減り、充電効率は丸形より2割り程度向上。
    用途に合わせて変形できる柔軟性もあります。
  • EVの非接触充電装置では、リッツ線をコイル状にして装置に組み込み、車両側の受電装置との間で充放電する仕組みが使用されます。
    角形のリッツ線は、同線を同じ本数使った丸形より1~2割断面積が小さく、装置の小型化にもつなげられます。
マグネットワイヤーの種類
種類 耐熱指標 適用規格 製造範囲 特徴 用途
ポリウレタン銅線
UEW
E(120℃)
UL認可105℃
JIS C3202 0種 0.05~0.9
1種 0.04~0.9
2種 0.012~0.9
3種 0.012~0.5
半田付け性、着色性などが優位。
高周波における誘電特性が優位。
市場で最も多く使用されている汎用ポリウレタン導線です。
通信機器用コイル
小型モーター
小型トランス
ポリエステル銅線
PEW
F(155℃)
UL認可155℃
JIS C3202 0種 0.1~0.9
1種 0.06~0.9
2種 0.05~0.9
耐熱性はホルマール/ポリウレタン銅線よりも優れており熱寿命試験ではF種に匹敵します。
耐溶剤性、耐薬品性(アルカリは除く)に優れています。
耐加水分解性に劣るので密封機械への応用の場合は注意を要します。
表面活性のポリエステル銅線(PEW.M)も製造しております。
B種の工業用汎用モーター
携帯用発電機
各種トランス、ソレノイドコイル
ホルマール銅線
PVF
A(105℃) JIS C3202 機械的な強度が優れておりますので、過酷な巻線作業に適しています。
耐薬品、耐溶剤性が優れています。
クレージング現象が発生しますが、100℃~130℃で15分間加熱することにより回復します。
油入トランス、汎用モーター
変成器、携帯発電器
ポリエステルイミド銅線
EIW
H(180℃)
UL認可200℃
JIS C3202 0種 0.1~0.9
1種 0.07~0.9
2種 0.05~0.9
電気的、科学的、機械的特性の全てに優れ、特製のバランスがよくとれています。
耐熱指標はH種であり、耐熱性を要求する各種電気機に使用されています。
耐熱汎用モーター
電装品、トランス
電気用軟銅線
ACW
JIS C3102 電気の良導体でありもっともポピュラーな電線です。
延性・展性に富み比較的廉価です。
エンジンハーネス用
ハーネス製造用
錫メッキ軟銅線
TCW・TAW
JIS C3152 参加されにくく、経年変化などに対して安定した特性が得られます。
半田付け性が良好です。
  • その他、金線・アルミ線・ステンレス線での撚線製造にも対応いたします。
撚り断面積構成対照表
撚り断面積(mm2)
素線径(mm) 0.13 0.20 0.30 0.50 0.75 1.25 2.00 3.50 5.50 7.00 8.00 9.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00 22.00
0.025 266 413 616 1029
0.04 105 161 245 399 602 1029
0.05 66 105 154 259 385 637 1029
0.06 46 70 105 182 266 448 707 1274
0.07 35 52 78 133 196 329 518 931 1470
0.08 26 40 60 100 154 252 399 700 1127 1421
0.10 16 26 38 64 96 161 259 448 700 931 1029
0.12 12 18 27 44 66 112 182 315 490 623 707 833 931 1078
0.14 9 13 19 32 49 84 133 231 357 445 525 588 651 784 931 1078
0.16 7 11 15 25 37 62 100 175 280 350 399 448 504 602 700 833 931 1029 1127
0.18 5 8 12 20 30 50 84 140 217 280 315 357 399 476 553 630 707 784 770
0.20 4 7 10 16 24 40 64 112 175 224 259 287 322 385 448 511 574 637 700
0.22 (3) 5 8 13 20 33 53 91 147 189 210 238 266 322 371 427 476 532 581
0.23 3 5 7 12 18 30 48 84 133 175 196 217 245 294 343 392 434 483 532
0.26 (3) 4 6 10 14 24 38 66 104 133 154 175 189 231 266 308 343 378 420
0.30 2 3 4 7 11 18 28 50 78 99 112 126 140 175 203 231 259 287 315
0.32 (2) (3) 4 6 9 16 25 43 68 87 100 112 126 147 175 203 224 252 280
0.40 1 (2) (2) 4 6 10 16 28 44 56 64 72 80 96 112 126 140 161 175
0.45 - (1) 2 3 5 8 13 22 35 44 50 57 63 75 91 98 112 126 140
0.50 - 1 - (3) 4 6 10 18 28 36 41 46 51 61 71 84 91 98 112
0.60 - - 1 (2) (3) (4) 7 12 19 25 28 32 35 42 50 57 64 70 77
  • 表の見方
    撚り上がりで0.5mm2の導体断面積を得るには、0.025mmの素線なら1029本、0.04mmの素線なら399本必要になります。
  • ()内の数字は、計算断面積が10%以上の差となるが最も近い本数を示しています。